外交部、市民から寄せられた約25億円で能登地震の被災地復興を支援へ
石川県能登半島で1月1日、マグニチュード7.6を観測する強い地震が発生して多くの犠牲者が出た。中華民国(台湾)外交部は4日、被災地の復興支援として、中華民国政府から日本に対して義援金6,000万円を提供することを発表した。それに続いて今月26日には、台湾の市民から寄せられた5億4,000万台湾元、日本円にして約25億日本円を復興支援として日本に寄付することを明らかにした。
26日の記者会見は外交部の呉釗燮部長(外相)が主催し、衛生福利部の李麗芬政務次長(=副大臣)、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(駐台日本大使に相当)、それに大口の寄付を寄せた団体の代表として国泰金控(キャセイ・フィナンシャル・ホールディングス)、鴻海科技(ホンハイ)、玉山金控(玉山フィナンシャル・ホールディングス)、信錦企業(シンクモールド・エンタープライズ)、台湾高速鉄路公司、台新銀行、台湾創価学会、中華安得烈慈善協会、崇友文教基金会、中国信託(CTBC0)、上銀科技(ハイウィン)、それに台湾石川県人会、台北市日本工商会、台湾日本人会など在台日本人団体の代表が出席した。
呉部長は、地震の犠牲者の冥福を改めて祈るとともに、「台湾の人々はいつでも被災地の人々のことを心配している。だから、わずか2週間という短い間に25億日本円を超える寄付が速やかに集まった。このお金は無数の台湾の人々の厚意の表れだ。台湾と日本がまるで家族のような感情を持つことを改めて感じることができた」などと語った。
呉部長はまた、100年前に石川県で生まれた八田與一技師が台湾のために尽くし、嘉南大圳や烏山頭ダムを建設したことに触れ、我々は「滴水之恩、当湧泉相報」(一滴の水のような恩にも、湧き出る泉のような大きさで報いるべし)」という台湾人の精神にのっとって、日本に対して支援の手を差し伸べるのだと説明。台湾と日本の固い絆はつまり、最も必要なタイミングに、相手にとって最も大きな支えになるというものだと述べた。呉部長はさらに、日本の人々へのメッセージとして「厳しい冬もいつかは終わりを迎え、希望の花が春風に伴って開くだろう。被災地の人々の傷が一日も早く癒え、新たな生活を再開できるよう願っている。被災地の復興作業が一段落すれば、台湾の人々は連れ立って石川県を訪れ、そして自ら石川県を応援することだろう」と述べた。
日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表は、蔡英文総統、頼清徳副総統が震災後直ちにお見舞いのメッセージを寄せてくれたことに改めて感謝した上で、台湾の各方面から続々と寄付が集まり、被災地の人々への思いやりを見せてくれたことに感激したと述べた。片山代表はまた、「2週間という期間中に集まった25億日本円を超える寄付は、互いに支え合うという台湾と日本の得難い友好関係を証明するものだ」と述べた。
大口の寄付を寄せた民間団体の代表として壇上に上がった国泰金控(キャセイ・フィナンシャル・ホールディングス)の李長庚総経理は、「台日の友好関係は活発な民間交流にとどまらず、双方の企業の緊密なビジネス協力にも反映されている。台湾の市民から寄せられた寄付が被災地復興の助けになれば」と期待を寄せた。
これに対して台湾石川県人会の徳光重人代表は、「台湾はどんな逆境でも克服する強い強靭性と、温かく人に接する『台湾精神』を持ち合わせており、日本が苦境にあるときはいつでも手を差し伸べ、日本に勇気と自信を与えてくれる。台湾は日本にとって正真正銘の友人だ」と述べて感謝した。
外交部はその後に発表したニュースリリースで、市民から続々と寄付が寄せられたことは「台湾と日本が『同舟共済(同じ舟に乗る者同士として助け合う)』の精神を示し、台湾の善良且つ温もりのある重要なパワーを世界に示し、「善の循環」を引き続き国際社会に拡大させることになった」としてに改めて感謝した。
Taiwan Today:2024年1月29日
写真提供:外交部
中華民国(台湾)外交部は26日、台湾の市民から寄せられた5億4,000万台湾元、日本円にして約25億日本円を能登地震の復興支援として日本に寄付することを明らかにした。外交部の呉釗燮部長(外相)のほか、衛生福利部の李麗芬政務次長(=副大臣)、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(駐台日本大使に相当)、それに大口の寄付を寄せた民間企業や組織の代表、在台日本人団体の代表らが出席した。