【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2025年1月第4週TOPICS
【今年度予算案、大幅削減で可決 頼総統「全く受け入れられない」/台湾-政治-】
(台北中央社)立法院院会(国会本会議)で21日、行政院院会(閣議)の提案から約2075億台湾元(約9870億円)削減した今年度予算案が多数派の野党主導で可決されたのを受け、頼清徳(らいせいとく)総統は同日、「政府への影響は前例を見ないものになる」とし、業務に支障が生じる部分を迅速に点検するよう行政院(内閣)に要請するとともに、野党に対し、国家が安定的に運営できるよう改めて慎重に考えるよう呼びかけた。
予算削減額としては過去最大。行政院院会は昨年8月、歳入を3兆1534億元(約15兆円)、歳出を3兆1325億元(約14兆8900億円)とする2025年度中央政府予算案を決定していた。
頼総統は21日夜、フェイスブックを更新した。行政院院会が提出した歳出予算案のうち、必ず支出しなければならない義務的経費と一般的な補助を差し引いた金額は1兆3000億元(約6兆1835億円)程度になると指摘。削減額が占める割合の大きさを強調した上で、影響は「非常に大きい」と懸念を示し、「全く受け入れられない」と訴えた。
また、国防や外交、文化、社会福祉、経済、治安など、いずれも政策やサービスも長年の積み重ねによってこそ結果が出るとし、予算の身勝手な凍結や中断、削減は、予測し難くかつ長期的なマイナスの影響をもたらすと強調した。
▽行政院、審議のやり直しを選択肢の一つとする考え示す
行政院の李慧芝報道官は21日、立法院の説明に矛盾があり、審議全体において見直しが必要な部分があるとし、行政院として「受け入れられない」との立場を示した。その上で、救済措置として、再議(審議のやり直し)の申し立てが選択肢の一つになると説明した。:2025年1月22日
【外国人観光客が線路内に侵入し列車と接触 鉄路法違反で処罰=観光地の十分/台湾–社会-】
(新北中央社)20日午後、天灯(スカイランタン)上げで知られる北部・新北市平渓区の台湾鉄路(台鉄)十分駅近くで、フィリピン人観光客の女性が線路内に侵入し、列車と接触して負傷した。鉄路警察局は21日、鉄路法違反で書類を交通部(交通省)鉄道局に送り、女性に罰を科すと明らかにした。
新北市消防局や鉄路警察局によると、20日午後4時37分ごろ、平渓区で30歳ぐらいの女性が頭部を3~5センチ切るけがを負ったと消防に通報があった。女性は近隣の病院に搬送された。胸や骨盤なども負傷しているが命に別条はないという。女性は列車が駅に接近した際、列車を背景に写真を撮影しようとし、両手を広げたところ、列車に接触したという。
鉄路法では、歩行者や車両が線路内に入ることを禁じている。違反者には5万台湾元(約24万円)以下の過料が科される。:2025年1月22日
【世界最高のクスノキが「健康診断」 樹齢約700年/台湾–文化-】
(南投中央社)中部・南投県信義郷にある世界で最も高いとされる樹齢約700年のクスノキ「樟樹神木」が20日、専門家による「健康診断」を受けた。ひとまずの結果は「健康的な老人」とされ、関係者は樹齢1000年以上に育てる意向を示した。
このクスノキは樹高46.4メートル。虫食いや細菌による腐食、幹の空洞化を防ぐため、管理する台湾大学生物資源・農学院実験林管理処は5年間の点検プロジェクトを策定。毎月の観察や毎年の検査などを通じて、維持と状態の改善を図っている。
実験林管理処の鍾立展副処長によると、政府機関や地方の林業関係者、学術機関、樹木医などが、幹の空洞や土壌、葉、枝の状況などを専用の計器などを使って詳しく調べた。
地域の教育支援機関で講師を務める沈揮勝さんは、クスノキの内部で腐食が進んでいたものの、外側はしっかりとしており、水分や養分が通る管も機能しており、光合成も正常に行われていると語った。:2025年1月22日
【高雄空港から札幌・沖縄・バンコクへ 国際線3路線が就航/台湾–観光-】
(高雄中央社)南部・高雄市の高雄国際空港を発着する台湾の格安航空会社(LCC)、タイガーエア台湾(台湾虎航)の札幌(新千歳)線とタイのLCC、タイ・ライオン・エアの沖縄(那覇)線、バンコク(ドンムアン)線が21日、それぞれ就航した。高雄の観光業者は、いずれの就航地も人気の旅行先だとし、旅行需要のさらなる高まりに期待を寄せている。
この日午前には高雄市政府観光局の高閔琳局長やマスコットキャラクターの高雄熊らが、初便の乗客に記念品を配った。
観光業者は、南台湾から北海道へ行く際、北部・桃園市の桃園国際空港に向かう必要がなくなったと喜びを示した。
高雄発着の路線拡大を長期にわたって後押ししている与党・民進党の許智傑立法委員(国会議員)は、25日にはタイ・ライオン・エアがタイ・チェンマイ線を就航させる他、2月にはチャイナエアライン(中華航空)が熊本線を、4月には韓国のLCC、ティーウェイ航空が韓国・済州線を開設するなどと強調。条件が合えば米国への直行便就航も夢ではないと語った。:2025年1月21日
【米SFジャイアンツに台湾の陽念希が入団 18歳右腕 陽岱鋼ら一族の出身–芸能スポーツ -】
(台北中央社)米大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツは22日、陽念希投手(18)の入団会見を台北市内で行った。契約総額は50万米ドル(約7800万円)。陽は5年以内にメジャー昇格を果たしたいと意気込みを語った。
東部・花蓮県の小中学校を経て、強豪の北部・桃園市立平鎮高に進んだ。海外でのプレーが目標だったといい、昨夏に同高を卒業後は台北市立大に入り練習を積んでいた。188センチ、85キロで最高球速は150キロを超える。
プロ野球選手を多く輩出する「陽家班」(台東陽家とも)の一員。日本ハムや巨人を経て現在はオイシックスでプレーする陽岱鋼外野手は、念希の父、陽東益(元統一)のいとこに当たる。一族には元西武の張奕投手(現富邦)や、昨年のドラフトで楽天イーグルスから6位指名を受けた陽柏翔内野手らも名を連ねる。
SFジャイアンツのアジア太平洋地域スカウト、薛奕煌さんは会見で、「ジャイアンツ」の名に合った、体つきがいい選手だと評価。陽を初めて意識したのは中学3年の頃で、体つきや協調性、球威の面で印象に残ったと振り返った。高校や大学でも進化し続け、中でも2022年のU18(18歳以下)ワールドカップで米国と戦った際に良い投球を見せたのが、球団に良い印象を与えたと語った。
球団は、1年目はまず米国のトレーニングや試合リズムなどに慣れることを期待しているという。:2025年1月13日